毎日の職場にセンスオブワンダー

外資系企業で働く女子の気づきをつらつらと書きます。

役職定年を久しぶりに目の当たりに

日系の会社に勤めていた時には、会社が取引している銀行の支店から55歳になった銀行の社員が出向で毎年来ていました。

1年間働いて、お互い合意すればその方は部長や役員として出向先に転籍(銀行は退職)することになっていました。合意に至らず、他の出向先に行ったらしいと聞くことも多くありました。

銀行というお堅い会社とは、その時に勤めていた日系の会社とはカルチャーが違うということもありましたが、銀行から出向、転籍してきた方々は、全般的にインテリと言うか、気難しいというか、お堅いというか。ご本人たちもいきなり外様になって居心地が悪かったのでしょうが、慣れ親しんだ会社を出ることになって大変だったとは思います。中には出向先で心を病んでしまったという噂を聞く方もいました。

そもそもこの役員定年制度とは、年功序列の会社だと、出世のピラミッド構造にそぐわない方々もいるし、若返りのためという目的もあって、55歳になったら役職から外れる。本当定年退職の時までに次の職場を見つけるようにする、人生設計を考え直すような期間にするらしいのです。一括新卒採用をしている大手会社に多いです。

この度、会社の事務所の賃貸人・大家さんの会社(大手)の担当者が退職することになりました。とあいさつに来られました。もとはアパレルの会社で働いていたようでとてもおしゃれで(裸足でローファー!)、1年くらい前に役職定年になったと聞いた時には、そんな年齢に見えなかったのでびっくりでした。もともとの会社が買収を何回かされて、大手商社の傘下に入ったので、慣例に従って役職定年になったとのことです。なんでも50代後半でも働き甲斐を求めて転職するようです。役職定年になると、給与が一気に下がりますから、転職を選んだのでしょう。まさにそれを見越して役職定年制度があるのだと思いますが。。。

日本の会社の年功序列制度の副作用が、役職定年を含む定年制度ですね。正社員で採用時は、期限の定めが無い雇用契約ですので、原則定年までの雇用が約束され、働く年数によって経験も知見も蓄積されると同時に会社への貢献度が上がるから給料が上がるという仕組みで階段式になっているのです。外資系で働いていても、その名残はたくさんあります。

今の会社は役職定年はありませんが、もしそんな制度があったらどうしたかなーと思います。70歳まで働く時代がやってくるでしょうから、55歳で辞めてそのあと15年は別の会社で働くのも良いかもしれません。