毎日の職場にセンスオブワンダー

外資系企業で働く女子の気づきをつらつらと書きます。

Potential Assessment とは組織のリスク管理の意味でもある

今の会社(前の会社でもそうでしたが)では、人事考課の際、社員のPotential Assessment(将来性評価)についても更新をする必要があります。

要約すると下記の3項目について、社員ごとにポチポチと選ぶということです。2と3の掛け算の結果でリスク度がわかり、会社の運営上リスクが高い人については、より注意が必要ということになります。

1. Potential(将来性)
Well-Placed 現在の職務に合っている
Promotable 現在の職務での成果も良く次の職務に進める
Hihg Potential 今以上の職務・職責を任せ、より大きなチームを主導できる可能性がある
   
2. Retention(定着性:離職リスク)
Watch 直ぐに離職するように見えないが継続的に注意が必要
Low Concern ほぼ離職するようには見えない
   
3. Loss Impact(損失の影響:その社員が離職した場合のインパクト)
Negligible 補充することはたやすい
Minor 補充することは比較的早く可能
Moderate 補充は可能だが、難しい
Significant 事業への影響は大きく、補充することが大変難しい
Critical 事業への影響は大変大きく、補充することが簡単にはできない


そして各個人を評価した後で、業績評価と組み合わせで、9つのBOXのどこに入るのかが決定します。

 

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この結果で、将来性と評価で9つのBOXに分かれます(より上層の責任者が、特定の部長の評価にゆがみが無いか、再度評価をします)。左端のグレーの部分の3つに区分けされてしまうと会社は対応策を検討することになります。

 

よく聞くのが、タスクを「重要かつ緊急」「重要だが緊急ではない」「重要ではないが緊急」「重要でも緊急でもない」の4つに分ける方法を聞くと思いますが、なんでも物事は区別・マトリクスにして評価する手法がとられますね(ちなみに、4つに分ける方法が「アイゼンハワー・マトリクス」というのを今日知りました)。

 

マトリクスにするというのは、区別・評価してみて、客観的に俯瞰し、取捨選択し資源の有効活用のために役立てるのが目的かと思いますが、この9つのBOXに分けるというのは比較的広く使われている手法で、会社にとって有効活用できていない(もしくはこれ以上できない)というリトマス試験紙みたいに見えるのが、左端と底辺の2辺になります。それをエルボー(elbow 肘を曲げた時の腕)とかエル(L 文字の形通り)と呼び、外資系の企業で多いのは、2年続けて(!)この2辺になると会社は強く対策を考えなければいけない対象社員とみなします。しかも評価する側として大変なのは、絶対評価ではなく相対評価をしなくてはならないことで、毎年一定割合をこのエルボー・エルに割り振らないといけないのです。

 

外資系はこういう意味でも評価が厳しいと思いますが、幸い(?)、今の会社は手法は同じですが、エルボー・エルの社員についてもそこまでは対応が厳しくないです。