毎日の職場にセンスオブワンダー

外資系企業で働く女子の気づきをつらつらと書きます。

Grace period

Grace periodという言葉を初めて聞いたのはいつの事だったか。

法人税と消費税は、決算月から2か月後に申告・納付が義務付けられていますが、申請すれば1か月の確定申告・納付の延長が認められます。その時の上司は税務知識に強くて、カナダで働いたこともある人でした。この納期限延長というのを Payment due date extension とかの直訳ではなく、Grace periodという言葉で説明していたので、便利な言葉だなーと思ったのを今でも覚えています。

今の会社は海外から製品を輸入して国内で販売しています。輸入とは、輸入申告時に、輸入するものの金額をベースに、製品によって割り振られたコードや輸出された国などで関税、輸入消費税等の納付額が計算されて、それを納付して初めて国内貨物となり、その後の製品の国内輸送・保管の規制の範囲内で自由に輸送・流通させることができます。

その納付ですが、会社は毎日のように輸入しているので、その都度お金・小切手で税関に納付というのは現実的に出来なくて、月締めでまとめて3か月後に納付しますという信用納付(?? なんというかわかりませんが、ツケで買うとかカード支払いをするようなものです)をします。これを納期限延長と言います。

その信用をどのように税関に勝ち取るか。有価証券その他の資産を担保として提供しますが、事務的に一番多くとられている方法は、取引銀行の保証書です。銀行は通常の取引の中で会社の業績や財政状態を把握していますので、保証書を書いていいかどうかはすぐ結論が出ます。融資枠のようなもので、もちろん借金しているのと同様、保証料を支払うことで書いてもらえます。信用が無い場合は、銀行は定期預金をさせて、その同額の金銭を留保したうえで、保証書を書いてくれます。お金を預けろ、そして保証料も請求するということで、銀行はとりっぱぐれは無いし、料金も稼げるという全くリスクが無いことになります。

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その銀行の保証書を税関に差し入れることにより、税関にはその金額を上限として3か月後に支払いますよ。という信用納付ができる仕組みです。

これも説明するときには、Three month grace periodと言って説明することが多いです。ちょっと覚えておくと説明しやすい単語の一つです。