発明に関わる表彰は税務がややこしい
今の会社はメーカーですので、開発という行為が業務上絡んできます。業務上の開発努力とは言え、それが特許となり、その後の発展的な技術や製品になった時に、それを全部会社が横取りして問題・裁判になることがあります。一番記憶に残っているのは青色発光ダイオードの事例ではないかと思います。
あのような問題が起こらないように、企業では発明に関わる表彰や報償の制度を設けています。今の会社にもあります。
ただ、その表彰・報償制度自体はその特許の観点と企業の開発行為を奨励する意図で作成されるのはOKですが、税務上の取り扱いとなるとまた別問題です。
直近で日本の社員を表彰・報償を支給する事例が、2例ありましたので、国税庁のHPを参考にして、一度会社の制度とその税務上の取り扱いを整理してみました。
特許の受ける権利や特許権の承継について | 承継時に一時的に支給 | 譲渡所得 | 源泉の必要なし |
権利の継承の後に支給 | 雑所得 | 源泉の必要なし | |
特許を受ける権利を使用者が原始取得したことへの対価 | 雑所得 | 源泉の必要なし | |
使用人が取得した特許権を設定したことによる支給 | 雑所得 | 源泉の必要あり(10.21%/20.42%) | |
特許を受けるまでに至らない発明 | 職務の範囲内 | 給与所得 | 源泉の必要あり |
職務の範囲外で一時的に支給されるもの | 一時所得 | 源泉の必要なし | |
職務の範囲外で継続的に支給されるもの | 雑所得 | 源泉の必要なし |
ややこしい。。。実際の今回の2例は上から1番目と下から3番目でした。
法務の人とも相談してこの中のどれに該当するのか判定するのですが、法務的な観点と税務的な観点というか書き方・区分けが100%一致するわけでは無いし、また会社の制度の意図するところとも微妙に区分けがずれているので、なんともややこしいです。
ただ開発行為自体は奨励されるべきものです。これを励みに更に開発をして欲しいと思います。