毎日の職場にセンスオブワンダー

外資系企業で働く女子の気づきをつらつらと書きます。

数字の綾・ふしぎ5

経理にとって、引当金を計算して計上するというのは、ちょっとレベルが上がる仕事です。

一例ですが、製品クレームで無償で交換というケースが、ある一定の割合で発生します。製品保証と言い、保証期間は販売後約1年(本当は作動XXX回とか、XX時間とかと比較して少ない方とか、細かく決まっています。)です。

実際の製品クレームは、販売後すぐ発生することもあれば、1年後に発生することもあるのですが、そこまで統計はとっていないまでも、今までの履歴から製品原価のXX%が無償で交換するとして、簡易的に販売時の製品原価を基準に計算しています。そのやり方がややこしい。。。まず販売直後にクレームが発生する確率が高く、1年後にはだんだんとその確率が減っていくという理論で、引き当てていました。

    その月の引当額 保証発生残確率 各月の残高
12カ月前 2021年4月 5,000,000 1/12 416,667
11カ月前 2021年5月 4,000,000 2/12 666,667
10カ月前 2021年6月 6,000,000 3/12 1,500,000
9カ月前 2021年7月 4,500,000 4/12 1,500,000
8カ月前 2021年8月 5,500,000 5/12 2,291,667
7カ月前 2021年9月 5,000,000 6/12 2,500,000
6カ月前 2021年10月 6,000,000 7/12 3,500,000
5カ月前 2021年11月 5,000,000 8/12 3,333,333
4カ月前 2021年12月 5,500,000 9/12 4,125,000
3カ月前 2022年1月 3,000,000 10/12 2,500,000
2カ月前 2022年2月 5,000,000 11/12 4,583,333
1カ月前 2022年3月 5,000,000 12/12 5,000,000
      今月の残高 31,916,667

 

これ、もう少し簡易的なやり方ないか?と考え直して、下記の通りに12カ月の合計にそれぞれの月の確率の合計を足して、54%をかければいいじゃん。ということで下記の通りにすることにしました。こういっては何ですが、あくまでも引当ですので。

    その月の引当額 保証発生残確率 各月の残高        
12カ月前 2021年4月 5,000,000 1/12 416,667 0.08 1 12 0.08
11カ月前 2021年5月 4,000,000 2/12 666,667 0.17 2 12 0.17
10カ月前 2021年6月 6,000,000 3/12 1,500,000 0.25 3 12 0.25
9カ月前 2021年7月 4,500,000 4/12 1,500,000 0.33 4 12 0.33
8カ月前 2021年8月 5,500,000 5/12 2,291,667 0.42 5 12 0.42
7カ月前 2021年9月 5,000,000 6/12 2,500,000 0.50 6 12 0.50
6カ月前 2021年10月 6,000,000 7/12 3,500,000 0.58 7 12 0.58
5カ月前 2021年11月 5,000,000 8/12 3,333,333 0.67 8 12 0.67
4カ月前 2021年12月 5,500,000 9/12 4,125,000 0.75 9 12 0.75
3カ月前 2022年1月 3,000,000 10/12 2,500,000 0.83 10 12 0.83
2カ月前 2022年2月 5,000,000 11/12 4,583,333 0.92 11 12 0.92
1カ月前 2022年3月 5,000,000 12/12 5,000,000 1.00 12 12 1.00
      今月の残高 31,916,667        
                 
  過去12カ月の合計 59,500,000 6.5/12 32,229,167 0.54 6.5 12 0.54

 

期待収益率(さいころの目が出るのは平均的にいくつか)の考え方と同じですね。

経理って、足し算、引き算、掛け算、割り算は多用しますが、こういう数学的な数値の考え方がまだまだ弱いなーと思います。

 

シンプルにして、月締めの作業の効率化は、こういう地味なことの積み上げです。