毎日の職場にセンスオブワンダー

外資系企業で働く女子の気づきをつらつらと書きます。

SOD Segregation of duties

今年経理部で定年(60歳)になる人がいます。契約社員にはなってしまいますが、今の会社では65歳まで希望すれば働くことができます。

定年を迎えて再雇用となると、原則的に仕事の内容も軽減され、給料も下がります。その方は再雇用を希望していますので、会社としてもすぐにはその方がやっていた仕事別の人を採用する必要はありませんが、その方がやっていた仕事の一部を他の人に割り振り、段々とその方の責任負担を軽減して65歳の準備をしていかなければなりません。

年齢的にもどちらかというと入力よりも、確認や承認、指導的な仕事をしていましたので、急にその人の責任度合いを減らしたと言っても、その人に入力の仕事をしてもらうわけにはいきません。なぜなら会社にはSegregation of duties 職務分掌をするように仕事の割り振り、人の配置をするのが、間違いや不正のリスクを下げて健全な組織運営になるために推奨されています。

そのための作業を分けなくてはいけないものの例
・仕訳入力とその承認→こういうのはわかります。入力担当の自由にさせないように承認者を分けるのは必要です。
ただ以下のように細かく分けることを本来は求められています。
・業者の登録と発注入力
・発注入力と納品入力
・納品入力と支払請求書入力
・支払請求書入力と支払処理
これはほんの一例です。これを細かくここまで分けられるのはある一定以上の人数がいなければ実行不可能です。
売掛金の回収を一時担当していた時ですが、手形を受け取って保管する人とそれを入力する人は別々の人じゃなかればダメだと言われてびっくりしました。普通は手形を受け取ってそれをコピーをとって手形の原本は金庫に入れて、コピーで入力するって一連の流れでしょ。。。と思っていたのですが、資産の保管と入力担当者は分けなくてはいけないのです。同じように在庫の棚卸とその結果の入力は同じ人がやってはいけないのです。

通常は、同じ人が一連の作業をやった方が効率がいいのですが、不正を犯すつもりはなくても、間違いを隠したり、報告が遅れたりする要因になりやすいため、内部統制上は分けることが良いとされています。組織が小さくて分けられない場合は、どのようにして別の方法で対応をするのか、体制作りをしなくてはいけなくなります(例として、前の日の入力を上司が毎日帳票を見て確認する。等)

ということで、60歳を迎える方にすぐに入力作業をやってもらうわけにいかず、小分けにしてある一部分は入力はするが、承認は別の人がやる。等になると思います。
いづれば去る方ですので、5年かけて計画的に進められることは良いのですが、同じメンバーで徐々にというのもちょっと工夫が必要だなーと思っています。