毎日の職場にセンスオブワンダー

外資系企業で働く女子の気づきをつらつらと書きます。

貸借対照表はどこまでも追跡される

何の仕事にもコツというか特徴があるものです。

経理の仕事にもあります。

売り上げと経費は、どこの事業部、部署のもので、何年何月に発生したかという積み上げ式ですので、年度が変わったらゼロから始まります。昨年売上頑張ったから、それを今年も持ち越しということはありません。経費も昨年少ししか使わなかったから、今年は多く使えるというのは、社内の承認、予算的にはわかりますが、基本的に無かったこととして経理の帳簿はゼロスタートです。去年までの売上と経費の差額の最終利益は全部自己資本に組み入れられ、翌年以降の決算書自体には残らなくなります。

それに対して、貸借対照表というのは、これ入金予定だからと未収金に計上したり、これそのうち出荷になるからと在庫に残したままにすると、必ずそれは入金になったのか、売れたのか追跡します。そしてそれが入金にならない、売れないとなると、不良債権、不良在庫となって、帳簿から処分(損失になる)することになります。

よくあるのは、運送会社が運送中に壊した時に、支払いますと言われたので請求書を発行して、数か月もそのままになっている。関連会社に請求書を発行したけど処理してくれない。間違って数量を多く発注した在庫の販売先を探しているうちに、見つからなくて月日が経ってしまった。等々。

こういうのに目を光らせて、過去の遺産(損失)をいつまでも持ち越さないというのが経理としての仕事です。