毎日の職場にセンスオブワンダー

外資系企業で働く女子の気づきをつらつらと書きます。

外国為替レートの影響で変わる利益分析ー加重平均となる

昨日は外国為替レートの影響について売上のみについて説明しましたが、為替の影響は利益にもあり、そっちはもう少しややこしくなります。

例としてある年、ここでは2015年が3か月だったとして売上と利益、利益率と
その翌年の2016年も3か月だったとして売上と利益、利益率を示しています。
年間利益率は全く同じ20%です。円での売上と利益は両方2016年にかけて23.3%伸びています。


ところが毎月のドル換算するレートが違うためにドルの売上額が変わると同時に利益額も変わります。売上も利益も、毎月同じ為替レートで換算するので、毎月の利益率は円ベースでもドルベースでも変わらないのですが、年間合計した売上のドル換算した平均為替レートと年間合計した利益のドル換算した平均為替レートが同じにならないということが起こります。


それは年間売上合計に対する月ごと売上の比重と、年間利益合計に対する月ごと利益の比重が違うために、微妙に毎月の為替レート違いの影響が違ってくるためです。これがわからないと、売上と利益が違う為替レートを使っているのか?になってしまいます。

年間合計の利益率はそのため変わってきます。

 

一度、ドル換算後の利益、利益率が間違っている!とある人に指摘されたことがありました。毎月のやっていることは正しいはずなのに、なぜだろう。。。と考えて、このことに気が付き説明したら、数字に強いその方は、「あー、そうか、比重の違いね」と簡単に納得しました。加重平均というものはビジネスを理解するうえで、単純な平均よりも意味がある場合が多いです。その方が数字に強い方で良かったです。

 

例)2015年の売上、利益、利益率          
日本円ベース Y2015-1 Y2015-2 Y2015-3 Y2015      
売上 1,000 1,000 1,000 3,000      
原価+経費 800 700 900 2,400      
利益 200 300 100 600      
利益率 20.0% 30.0% 10.0% 20.0%      
               
          単純平均FX    
FX 111 112 108   110.33    
米ドルベース Y2015-1 Y2015-2 Y2015-2 Y2015 平均FX    
Sales 9.0 8.9 9.3 27.2 110.31    
COS&Expense 7.2 6.3 8.3 21.8 110.14    
Income 1.8 2.7 0.9 5.4 110.98    
Income % 20.0% 30.0% 10.0% 19.9%      
               
               
例)2016年の売上、利益、利益率          
日本円ベース Y2016-1 Y2016-2 Y2016-3 Y2016     前年比
売上 1,200 1,500 1,000 3,700     23.3%
原価+経費 1,010 1,250 700 2,960     23.3%
利益 190 250 300 740     23.3%
利益率 15.8% 16.7% 30.0% 20.0%      
               
          単純平均FX    
FX 111 112 108   110.33    
米ドルベース Y2016-1 Y2016-2 Y2015-2 Y2016 平均FX   前年比
Sales 10.8 13.4 9.3 33.5 110.57   23.0%
COS&Expense 9.1 11.2 6.5 26.7 110.69   22.7%
Income 1.7 2.2 2.8 6.7 110.09   24.3%
Income % 15.8% 16.7% 30.0% 20.1%