毎日の職場にセンスオブワンダー

外資系企業で働く女子の気づきをつらつらと書きます。

競合に転職されたら

会社に入社するときは、社員としての機密保持条項を盛り込んだ契約書にサインしますし、服務規程にもそのような文言がある規程が多いと思います。また、会社を辞めるときにもある一定期間機密は守る、競合には転職しません。みたいな誓約書にサインをしてもらっています。
(私が今まで辞めるときは、サインした覚えは無いですが)

私のように経理系ですと、転職する際に競合に転職せざるを得ないことはあまり無いですが、営業や技術だと職歴とスキルは同じ業界・業種だからこそ生かせる資産となり、結果として競合に転職するのが一番都合が良くなるということになります。

競合に転職する人が、ある比率で発生してしまうのが現実です。転職先の会社に、前の会社の顧客情報や価格情報、はたまた一番肝になる製品の技術情報などを渡してしまったら、その後の中長期にわたって売上と利益に影響があるのです。ちょっと前にもニュースになっていたことですが、ヤフーを辞めた社員が技術情報を楽天に入社して横流ししたというレベルに比べたら大事では無いかもしれませんが、現実には少なくても2、3年に1回は起こりえます。

その場合はどうするのか。
誓約書にサインしたんだから、そっちの契約違反だ!とは一方的に訴えられません。その証拠と経済的損失の額が算定できなければ、それを補填するようには訴えられないし、また本人の意志による転職自体を制限しようとすれば、その補填をしなくてはならなくなります。本人に誓約書に違反しましたね。機密情報の横流しやそれによる経済的損失が判明したらすぐに次のアクションをとりますよ。という意思表示を淡々と文書で送ることになります。

これは警告でも脅しでもなく、会社側の意志の通知になります。これは今後法的な対応に発展した時もとても大事なことです。また日ごろから、何が機密情報かわかるように極秘とか社内利用のみとわかっていても資料に表示をしておくと、機密情報だと思っていなかったという言い訳に対抗することになります。

職業選択は自由ですのでいかなる人もそれを制約することはできません。後は経済的(お金)で解決するという民事的なやり方ということですね。とはいえ、辞めた会社の人と一切連絡を取れなくなるとか、街で偶然会った時に目を反らす等にならないようにしたいものです。