毎日の職場にセンスオブワンダー

外資系企業で働く女子の気づきをつらつらと書きます。

Grace period 2

輸入時の関税、消費税(国内の消費税と同じで今は10%)などを納付しないと、輸入した物を自由に流通できない。

その納付については、担保(通常は銀行保証)を提供し、その担保額の範囲内で、月締めで3か月後の納付というような納期限延長の仕組みがある。

という話をしましたが、ここのところの価格高騰、調達難のためいつもより多めに在庫を買っておく、為替の円安などの影響で、担保額がいっぱいになってしまい、納期限延長できなくて、原則通りの納付しなければ輸入できませんという事態に陥ってしまったのです。

工場からやっと出荷されて、やれやれと思っていたのに、そんなことで入手が遅れたら目も当てられない。という製品が入っているととんでもないことになります。その場合の方法もいくつかあります。
1、輸入通関を依頼している業者さんに立て替えてもらう(高額になるので、今はほとんど受け付けてもらえない)
2、輸入申告する納付額を教えてもらい、その通関を依頼している業者さんに納付の当日振込んで納付してもらう(こちらも、相手も経理が大変あわただしくなります)
3、3か月前の関税・消費税だけではなく、追加で2か月前の関税・消費税を納付する→銀行で納付しますが、これが税関のシステムに反映されるまで5営業日くらいかかります。
4、上の3の方法のもっと力技ですが、銀行で2か月前の関税・消費税を納付した後、その納付済みと書かれた紙を近くの税関に行って、税関の端末で納付済み処理をしてもらう。
5、中長期的な観点で担保額を増額する→これは取引銀行が社内稟議を通すのでちょっと時間がかかります。

以上が通常やっているパターンです。
それ以外にも、輸入時に銀行口座から納付額が直接引き落とし(デビットカードのようなもの)という仕組みもあるので、それだと保証書も不要で手続きは簡単ですが、今度は銀行口座の現金の管理(資金繰り)に気を付けないといけなくなることと、会社のお金を事業ではなく税金の支払いに優先させることになり、運転資金的にもあまり良くないことになります。

今の会社も、中長期的な観点で担保額を増額することにします。