どこまでもレバレッジが大事
予算編成をする上で大事なのは、来期は今期より売上増、利益増になるように作成すること。売上と粗利が増える(増やす)ことを前提に、経費を増やせる(売上増のための投資)ことになります。
難しいのは、売上を伸ばすときに、粗利率が下がることも多いのです。プロジェクトや戦略で売上を伸ばそうとすると、利益率を多少度外視しても、商談が成立しなければ、その分の売上も利益もゼロになってしまうので、値引きOKしてしまいます。
最終的に売り上げは伸ばすには伸ばすが、利益はどうなるか問題が発生します。
今年の粗利率が35%、経費25%として、翌年の粗利率が1%下がる場合。
売上の伸び率10%としても、粗利の伸び率は7%、売上の伸び率の半分の5%の経費増でも、営業利益増が12%となり、レバレッジが効くことになります。
粗利率 | 35% | 粗利率 | 34% | ||||
今年 | 翌年 | ||||||
売上 | 100.0 | 110.0 | 10.0 | 10% | |||
粗利 | 35.0 | 35% | 37.4 | 34% | 2.4 | 7% | |
経費 | 25.0 | 25% | 26.3 | 24% | 1.3 | 5% | 売上増加率の1/2率 |
営業利益 | 10.0 | 10% | 11.2 | 10% | 1.2 | 12% |
ここで気が緩んで、粗利率が2%下がるプランにしてしまう場合。
売上の伸び率10%としても、粗利の伸び率は4%になってしまい、粗利の伸び率の半分の2%の経費増に減額しても、営業利益増が8%となり、レバレッジが効かなくなります。
粗利率 | 35% | 粗利率 | 33% | ||||
今年 | 翌年 | ||||||
売上 | 100.0 | 110.0 | 10.0 | 10% | |||
粗利 | 35.0 | 35% | 36.3 | 33% | 1.3 | 4% | |
経費 | 25.0 | 25% | 25.5 | 23% | 0.5 | 2% | 粗利増加率の1/2率 |
営業利益 | 10.0 | 10% | 10.8 | 10% | 0.8 | 8% |
経費と言うものは、自然と増えるものです。その一番の要因は定期昇給です。
今年の経費の25.0のうちの人件費が50%とすると、12.5。その3%が定期昇給とした場合には、何もしなくても経費は0.4増えますので、あと残り0.1しか増やせないことになります。
人件費(50%) | 12.5 | 昇給3% | 0.4 |
売上10%増、利益8%増ということは、売上10%増やすために変動費をそれ以上使っていることになり、固定費を有効活用していないことになります。人件費も家賃も売上が伸びたら増えるわけではありませんので、これでは落第。値上げのプランを持ってこい!と社長に言われるだけです。
粗利率をいかにキープして、売上を伸ばすかが、経費をいくら増やせるかの大きなポイントになります。