毎日の職場にセンスオブワンダー

外資系企業で働く女子の気づきをつらつらと書きます。

倉庫の在庫の価値はそのままでいいですか

年次決算が近くなると帳簿上の会社の資産の金額が正しいのか。という判定をする作業が増えます。会社の資産でめぼしいものは、商品・製品を販売している場合は、現金、売掛金、在庫、固定資産などです。

在庫については、年に1回の棚卸と言う、製品番号ごとに個数(数量)を数えるという作業が通常必要になります。数量を数えて現品と帳簿が違っていたら、まずはその数に合わせて帳簿を修正する。その後のためにもなぜ合わなかったのかを調べて、合わない原因が再発しないようにしていくという一連の作業が、会社として健全な在庫管理となります。

経理的に言うと、数が合っている前提で、次の事を考えなければならないのです。数量に単価を書ければそれは金額が出ますが、その金額が資産の価値があるかどうかです。

1,000円で10個買ったものが倉庫にあれば10,000円の価値があるとみなされますが、その価値を下げる必要があるかどうかを見極めるために、
1、いつから倉庫にあるのか
2、古い場合は、品質は問題無いか
3、販売の見込みはあるか
4、販売の見込みがある場合は、いくらで販売できるか
等を考えます。
古い場合は、物理的に劣化(Obsolete)があるかもしれない、そもそも販売の見込み以上に買ったので売れ残っていて今後は売れないかもしれない(滞留在庫 SlowMoging)。売れるけれども売り切るのにさらに5年かかりそうだ(余剰在庫 Excess)、売れるけれども今まで一つ2,000円で販売していたものが、今では800円でしか売れな(lower of cost or market)などいろいろ事情がある在庫については、会社によって価値を下げるという、規則と計算方法があります。

品質に問題があるものや売れる見込みがないものはゼロ円にするというのは大体わかりやすいかもしれませんが、この先の販売見込みが不明の場合は、年数によって20%とか50%とかに価値を下げます。下げるという意味はそれが経費になってしまうという意味です。

また、1,000円のものが800円でしか売れないとわかっているものは800円まで価値を下げます。

経理上の理屈はとてもシンプルですが、これを判断するのが営業部だったりするので、売れそうになくても売れる!とか、売れないけど使える!とかいろいろと言って、営業部の業績に響かないようにしたがるところを、ダメです!と毅然とした態度で、一刀両断で判断するのも経理の仕事です。