毎日の職場にセンスオブワンダー

外資系企業で働く女子の気づきをつらつらと書きます。

会計と税務の違い

会社の経理・会計処理と税務上の処理は違うものです。

会計基準に合うように経理処理をして財務諸表を作成するというイメージですが、企業会計は、企業会計原則という基準があって、それが日本、アメリカ、国際とか学問的には違いがありますが、日常的な処理はそれほど変わりません。会計は実質の経済実態、市場価値・公正価値というもの重要視します。

それに対して、税務は税法という法律に基づいています。XXXの定義でXX%の税金を課すと決まっています。とはいえ、法律ですので、ケースによって解釈の違いが発生して、裁判にもなります。

USCPA米国会計士の資格の勉強をしている時に、いろいろ個性的な先生がいましたが、その個性的な先生の一人が言った言葉の一つで
国税は会社の見積なんか聞きたくないの」
と言っていたのを今でも覚えています。

必要な将来の債務に対する見積りや資産価値の減少は、会計上費用・損失として処理しますが、税務上は処理した時の損としてみなされず、それが確定するまで先送りというものです。

客先に配送した製品が輸送途中に壊れてしまって、それを修理するための部品の代替品を調達して、急場のことを収めたのですが、その費用を輸送会社の保険で求償、補填してもらうべく対応中です。それなりの保険金になるので、保険会社がその求償金額が公正かどうか調査会社に調査してもらうのですが、なかなかそれが遅々として進まなくてヤキモキしています。その代替品の費用が保険で補填してもらえる見込みがなかったら、今期の経理処理は経費にしようと思いますが、税務上は本当に保険金がもらえないとわかるまで先送りかなーと思います。

個性的な先生の心に刺さる言葉というのはありがたいです。記憶の残り続けて、いつでもポイントを思い出すときの羅針盤になります。