毎日の職場にセンスオブワンダー

外資系企業で働く女子の気づきをつらつらと書きます。

複雑なマトリックス

マトリックスって、映画のマトリックスしかあまり聞かないですが、外資系ってこのマトリックス(matrix)というものが特徴的なんです。

英単語の意味自体を調べると、《数学》行列と書いてあります。
説明に困るのですが、組織の意思決定者が縦横に複雑に絡んでいることで、社内的に権限、承認経路が複雑に入り組んでいる場合が多いのです。

例えば日本法人の社長がいて、事業部が2つあって、間接部門(人事、総務、法務、経理、調達部門)があったとします。
・日本の社長は日本全体の売上と利益について責任を持っている
・日本の事業部長はそれぞれ本社にその事業部の統括者に報告する義務がある
・間接部門はそれぞれ本社経由で指揮命令を受けている
このような場合に、ある購入・投資案件の承認を日本の社長がした後で、本社側の事業部の統括者が承認しないという変なことも発生したり、日本では周囲の評価が良くないけれども本社側のメールや電話でのみやり取りをする上司は、それがわからずその人の評価が結構良かったり、本社の意向をそのまま運用できないことをうまく説明できない担当者が、無理やり日本で運用して問題多発になっても、本社の統括者にとってはその問題について全く知らずに、プロジェクト完成・問題無しとされるとか。

組織というそのものが、言葉も習慣も比較的同じ日本法人内でも複雑になる可能性があると思いますが、海外の本社がからむともっと複雑になるので、「複雑なマトリックス」内でそれでも自分の職務を理解し、まわりのチームと協力して、組織としての目標を達成していくという身のこなしが必要になります。

私の上司もアメリカに居ますが、原則は日本の社長のサポートをするのが仕事で、アメリカの上司と日本の社長の関係性が良いので問題が無いですが、万が一この関係性が良くない場合は、私は仕事をするのが非常に難しくなってきます。どちらの指示に従えばいいのかとわからなくなってにっちもさっちもいかなくなるのが一番精神的に疲れます。私は今までそんな環境に置かれたことが無いので、ラッキーです。