毎日の職場にセンスオブワンダー

外資系企業で働く女子の気づきをつらつらと書きます。

関連会社間の代金決済方法 Netting

同じ資本下で、関連会社の法人の数が複数になってくると、その法人同士で支払いがお互いに発生してきます。また、それが国が違えば、外国為替への交換や外国送金など銀行への支払い手数料が多くなってきますので、ネッティング Nettingという方法で代金の決済を済ませる方法をとる会社が多いような気がします。

 

例)日本法人がアメリカ法人と購入も販売も両方あり、中国法人には販売があり、ドイツ法人から購入がある場合、本来なら1)日本法人はアメリカ法人にUSD990.00を支払い、且つ2)ドイツ法人にEUR300.00を支払い、3)中国法人が日本法人にJPY2,000を支払わなければなりません。

Nettingを使うと、あらかじめ決められた銀行口座に、あらかじめ決められた日に、1)日本法人がJPY142,000を振込、2)中国法人が同様にRMB100を振り込むと、販売側にそのお金が渡るという仕組みです。

  販売 購入     販売 購入  
アメリカ A社 USD1,000.00 JPY1,000   日本 AA社 JPY1,000 USD1,000.00 為替JPY100/USD
               
中国 B社   JPY2,000   日本 AA社 JPY2,000   為替JPY20/RMB
               
ドイツ C社 EUR300.00     日本 AA社   EUR300.00 為替JPY150/EUR
               
        JPY 3,000 145,000  
               
アメリカ A社は、USD990.00を受取る   日本 AA社の支払い JPY142,000  
中国 B社は、RMB(元)100を支払う          
ドイツ C社は、EUR300を受取る          

 

なんだ3つの送金が、2つになっただけじゃないかとなりますが、これが複数の国の、複数の会社同士の取引になると、もっと効果テキメンです。銀行に支払う為替手数料やら、外国送金手数料が削減できます。

 

Nettingの仕組み自体も銀行と契約して実施するものですので、複数の銀行に分散されて支払われていた為替手数料や外国送金手数料が、固定の銀行に支払われることになります。会社としては、複数の送金がシンプルになり経費の削減になりますが、銀行としては手数料の抱え込みになるという図式になっています。

 

この仕組みはすごいなーと思いますが、ここのところ話題の仮想通貨などで、銀行を介さずに送金ができるように変わっていくのかもしれませんね。