毎日の職場にセンスオブワンダー

外資系企業で働く女子の気づきをつらつらと書きます。

欧米の契約書の違いその1 バックデートはしない

日本の習慣と欧米の習慣で違うことはいろいろありますが、契約書の調印(サイン)の仕方もその一つです。

契約書内容の特徴としては、日本の契約書は社交辞令(?)的な内容が多く、あまり権利義務についてはきっちりと書いていなくて、それほど意味のないXXXの時には協議する。と書いてある場合も多い。例えば、注文のキャンセルの可否、その時の費用負担等については書いていない。原則、書いていない=キャンセルしないという法律の立て付けらしいです。それと比較するとアングロサクソン系(欧米のことを別の表現で言うとこう言うらしい)の契約書は、お互いの権利義務がより細かく書かれている。XX日以内はキャンセルできるとか、輸出管理令に触れないようにするとか。日本は俗にいう単一民族(そうでもないと言う人もいます)なのであうんの呼吸的に書いていないけれど何か発生したらその都度紳士的に(時にはそれはお客様は神様となり、供給側に都合が悪い結果となる)協議して解決するということになります。

次に契約の内容ではなく、その形式の話です。
日本の契約書は、例えば6月1日から有効とする契約書は事前に別途合意していて押印という手続きが遅れただけとか、後になってこの契約書交わしておかなければならなかったとしたら、遅くても5月31日の日付を記載してその日に押印したことにしますが、欧米ではあくまでもサインした日の日付を記入します。遅れてサインすることになっても自署でサインしたその日の日付を書きます。さかのぼって締結することになっても、契約書の本文中に6月1日から有効とする。みたいな文章があるので、内容でカバーするようになっています。

ハンコじゃなくて、サインを本人が必ずするという文化からそのようになっているのでしょう。ハンコは代理で押せますからね。電子ハンコになったら、代理でできなくなるので、その辺は上司が出張中に「机の上にシャチハタ置いてあるから押しておいて」と言われて社内文書に代理で押すということはできなくなりますね。